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    はじめまして。

    みなさんはじめまして。司法書士の片口です。

    平成21年より、資格の学校TAC・Wセミナーの新宿校で司法書士の基礎講座を担当しています。
    また、渋谷校では、中上級者向けの講座(重要論点インプット講座)のビデオクラスも担当しております。

    おそらく、うちの講座の中では一番スパルタで、最も体系的に、理論的に教えているタイプの講師だと思います(故に、毎回講義は延長していますwごめんなさいw)


    これから受験生の方に向けて、合格に必要なための有益な情報を提供していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。


    ブログをするのは、実に6年ぶりくらいで、以前はラーメンの食べ歩きブログをやっていましたが、今回は真面目な?ブログなので少々緊張しています。


    当ブログでは、普通の試験対策をお話ししてもつまらないので(他の先生が話せばいいと思っていますw)、講師としての立場から、また合格者としての立場から、今の司法書士試験業界の現状を本音でお話ししていきたいと思います。

    具体的には、

    本当に予備校の本を読むのが合格への近道なの?

    基本書は読まなくていいの?

    予備校では憲法とか刑法は後回しだし、回数少ないけど本当にそれで大丈夫なの?

    過去問分析だけで合格できるって本当?


    など、受験界の通説を他の講師とは違った視点から、お話してきたいと思っています。



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    キーワード学習法1 占有改定編

    皆さんおはようございます。

    本日は、前回ご紹介しましたキーワード学習により、占有改定に関する知識をまとめていきたいと思います。

    占有改定に関係する論点を最低7つは思いだせるようにしてくださいと申し上げましたが、できましたでしょうか。

    それでは解答編です。今日は8つの解答と、1つの解説をご紹介しておきます。


    1.動産物権譲渡の対抗要件である「引渡し」(民178条)は「占有改定」によることができるか

    ⇒○

    2.即時取得の成立要件である「占有取得」の方法は「占有改定」によることができるか

    ⇒×(最判昭和35・2・11民集14巻2号168頁)

    3.留置権の成立要件である「留置目的物の占有」は「占有改定」による引渡しがされた場合でもよいか

    ⇒× 注釈民法(8)33頁、道垣内24頁等

    4.債務者が目的物を第三取得者に「引渡し」た後は、先取特権を行使しえないが(民333条)、「占有改定」が「引渡し」に該当するか

    ⇒○ 大判大正6・7・26民録23輯1203頁、通説

    5.質権の効力発生要件である「引渡し」(民348条)は「占有改定」によることができるか

    ⇒× 民345条参照。

    6.動産譲渡担保の対抗要件である「引渡し」(民178条)は「占有改定」によることができるか

    ⇒○ 大判大正5・7・12民録22輯1507頁、最判昭和30・6・2民集9巻7号855頁

    7.書面によらない贈与であっても、すでに贈与の履行が終わっていれば、その限度で贈与者による撤回は認められないが(民550但書)、目的物の「引渡し」がおこなわれれば、履行が終了したとみることができる(大判明治43・10・10民録16輯673頁、最判昭和31・1・27民集10巻1号1頁等)。この場合の「引渡し」は、「占有改定」でも足りるか

    ⇒○ 最判昭和31・1・27民集10巻1号1頁

    8.株券発行会社の株式の譲渡は、株券を譲受人に「交付」することが権利移転の成立要件とされているが(会社128条1項)、この場合の「交付」は「占有改定」でもよいか

    ⇒○ 江頭210頁等



    いかがでしたでしょうか。全問正解できましたか。解答だけにとどめず、周辺知識を整理しないと意味が半減するので、全問正解できなかった方はぜひ復習をしてください

    解説編については、随時ご紹介していきたいと思っておりますので、そちらも「本質の理解」のための参考にしてくださいね

    今日は、

    1.動産物権譲渡の対抗要件である「引渡し」(民178条)は「占有改定」によることができるか

    の解説をしておきます。


    [例]

    A→B

    ①AからBに甲動産を売買。

    ②Aが甲動産をBから賃貸。以後、AはBのために占有することになるので、Bは甲動産に対する事実的な支配を確立する(代理占有)。

    [理由]

    ①占有改定による引渡しでは、物の所在が実際に変わらないので(Aのまま)、譲渡の外形が現れない。しかし、物を実際に占有している占有代理人(A)への照会により、譲渡の事実が明らかになる(譲渡の事実が公示される)。

    ②権利関係の照会を受けるのは譲渡によって権利を失った者(A)であるため、虚偽の回答(自己が所有者であるとの回答)がされる危険がある。しかし、譲渡人の占有から譲渡人を権利者と信じた者は即時取得制度によって保護されるため、取引安全保護の点で問題は生じない。

    ③Bが対抗要件を備えるために「現実の引渡し」が必要であるとすると、譲受人(B)に一度物を引渡して(現実の引渡しをして)、それをまた譲渡人(賃借人A)に交付しなければならない。そのような手順を踏ませたところで、第三者から譲渡の事実が容易に分かるようになるのではなく(譲渡の事実が明確に公示されるわけではない)、手間を取らせることに何の利益もない。そうであるならば、無用の手間を省き、取引の便宜を図るべきである。


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    キーワード学習法

    皆さんこんにちは。

    皆様のご協力により、ブログ村の方のランクが3位まで上昇しているようですね

    ひとえに皆様のおかげでございます。今後とも少しでもお役に立てる情報を提供したいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。


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    憲法・刑法について~第三回~ 憲法・刑法と予備校のあり方

    皆さんこんにちは。

    今日から憲法対策の続きをお話したいと思います。

    従来における予備校の憲法の講義は、コマ数が5回~8回程度であり、時間的に「体系や論理、考え方」を掘り下げて扱うことができず、「判例の結論はここだから、ここは覚えておくように」というような論点の指摘に終始する、謂わば「暗記科目」のような扱いになっていることが多いこと。

    また、予備校が提供している情報や、多くの市販の司法書士試験用テキストをどれだけ一生懸命勉強しても、本質の理解(前回までの記事を参照してください)はおろか、情報量すら不足してしまいがちであること。

    その結果として、例えるならば、「行政書士試験や宅建に要求される民法の知識レベルだけで、司法書士試験や司法試験の民法を解く」というような準備不足の状態となりかねないということ。


    という問題点を掲げました。

    なぜ、そのような現状となっているのかというと、憲法は「時間をかけずにコンパクトにまとめる」というのが講師の中での通説といってもよい現状であり、講座や市販のテキストにもその思想が表れているので、体系や論理、情報量よりも、簡潔さが重要視されているからです。

    では、その通説は正しいのでしょうか。

    答えは、ある意味ではYES、ある意味ではNOです。


    そもそも、この講師の間での通説には背景があります。それは、民法や商法、登記法や民訴で受験生は手一杯であり、憲法に多くの時間を割く余裕はないだろうという推測です

    確かに、多くの1年目の受験生に関してはそのことが当てはまるかもしれません。

    しかし、1年目でも主要科目については、相当のレベルに到達する受験生を私は何人も見てきていますし、2年目・3年目以降の方は、今までの蓄積がありますから主要科目に関してはそれなりのレベルに到達している方も少なくないでしょう(例えば、本試験や公開模試で30/35くらいとれるレベルになっていることが多いはずです)。

    こういう方達は、主要科目に比べて特に憲法の手ごたえがないということを実感しているはずです。

    主要科目ができている人は、手ごたえの差から、憲法に関しては今のままでの勉強方法では頭打ちであり、現状の知識・素養を維持することはできても、伸ばすことは難しいということがわかるはずです



    そこで、きちんと主要科目が理解できている方には、憲法のレベルを1ランクあげるべきであるといえます

    本当は、予備校が憲法・刑法だけの短期講座を用意するというのが一番よいと思います(既修者向けということを想定してそれぞれ各最低10コマ以上)

    そして、できることなら講師は弁護士で、テキストも弁護士に作ってもらうのがいいと思います。司法書士試験だからといって司法書士が教える必然性は何もないのであり、司法書士で憲法をきちんと勉強・研究している人間はそう多くないからです。

    司法書士が作らないで本試験の傾向とあうものができるのかという疑問があるかもしれませんが、基本的に弁護士の方が司法書士よりも憲法に関してははるかに知識・素養があるのが通常であり、過去問集を見てレベルを調整してもらえば済むだけの話です(大は小を兼ねます)。

    伊藤塾は伊藤真先生が憲法を担当なさっていると伊藤塾のウェブサイトに書いてありますが、本当なら素晴らしいことである(受験生は、他の予備校にはない大きなアドバンテージを得ている)と思います。


    しかし、残念ながら憲法を重点的に講義する講座はあまりないのが現状です。このことを指して、私は現在の予備校は潜在的需要の掘り起こしができていないのではとの疑問をもっております


    そして、予備校が用意しないのであれば、自分で対策を立てていかなければならないということになります

    それでは、ここからは一つの解答として、私が受験時代にとった対策と、普段の講座の中で話している憲法対策(勿論、私はこれが最善であると思っています)をお話していきましょう


    まず、私が受験時代にとっていた方法は、司法試験・公務員試験・行政書士試験の過去問をガンガン解くことです。

    正直、今思えば問題だけ解いても体系的に学習するわけではないので「本質の理解」とはほど遠いのですが、それでもやらないよりはマシだったかなと思っています。

    しかしながら、結局、本試験においては危惧していた通り憲法を1問失点してしまいました(午前の部の本試験で35問中33問正解することができましたが、2問の失点中1問が憲法です)。

    この方法は、今から直前期を迎えるという方にはある程度オススメできるやり方です。特に司法試験の問題は、本質を問う問題が多く、知識量が増えるだけでなく、理解にも役立ちます

    但し、過去の答練の問題をたくさん持っているという方や昨年から答練を受講している方は、それを演習すれば足りるので、わざわざ司法試験の問題にまで手をださなくてもよいでしょう。


    続いて、今年の本試験は受けないという方(来年の合格が目標の方)に関しては、基本書を読むことをお勧めします。私は例年この時期に20か月コースの人には今のうちに基本書を読んでおくことを勧めています

    ※基本書というのは予備校が出版している基本テキストではなく、学者の先生が書いた本です。司法書士試験の業界では、なぜか予備校テキストを基本書と呼んでいる方が少なくありませんが、正確ではありません。

    読むべき書籍としては、

    ・定番ですがおそらく本試験のネタ本の一つであろう、芦部信喜著(高橋和之補訂)『憲法』/岩波書店
    ・統治に関する記述が充実しており、スタンダートテキストである、野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利著『憲法I・II』/有斐閣(こちらは二分冊であまりに重厚なため通読はするべきではありません。情報を予備校の本にまとめ、辞書的に使う本です)
    ・読みやすさを重視するなら、渋谷秀樹・赤坂正浩著『憲法1・2』有斐閣アルマ/有斐閣

    あたりから一冊選ぶのがよいでしょう。

    基本的には一度通読してみるのがいいと思いますが、例えば竹下先生の「直前チェック」のような情報一元化ツールに、基本書から必要と思われる情報を抜き取ってまとめていく、という方法もお勧めです

    特に予備校の本を読むにつれて、理論面で理解しがたい部分がでてくることも少なくないと思いますが、これらの基本書を辞書的に使い、調べ、まとめることでスッキリすることも少なからずあるでしょう。


    逆に、今から直前期という方は、これから重厚な基本書を通読するのは自殺行為ともいえますので、辞書的に使う場合に限って購入を検討してみるとよろしいかと思います。




    最後に、報告になりますが、当ブログでは当面の間コメント欄を削除させていただきます。

    というのも、コメントにて、

    「憲法の結論は結局なんなんだ。答えをいつまでも書かないから混乱している。できもしないことを書くんじゃない。ランキングに参加するな」とのクレームがありまして、正直げんなりしているからです。

    「できもしないこと」の意味もわかりかねますし、「ランキングに参加するな」と強要される理由もわかりかねますが、そもそも私にも記事の構想を練る時間が必要ですし、いつでも書けるわけでは当然ありません。

    今回このような順番にしたのも、「本質の理解」という記事を先に書いた方が、今日の内容をより理解していただきやすくなるということに配慮したものであり、「答えがわからないままでは混乱する」というのは、直前期の受験生の心情を察するにわからなくもないですが、何の接点もない私にすべて依存されても正直困ります。

    私が書くことが唯一の正解であるはずがないのであり、所詮は一つの方法論にすぎません。勉強方法は(いろんな人の意見を聞いて)自分なりに考え、実践することが要求されるでしょう。


    ということでございまして、本来であれば、受験生の方の相談や質問に乗ったりとコメント欄を使ってコミュニケーションをいずれはとっていきたいと思っていましたが、当面の間控えさせていただくことにいたします。

    以前コメントをくださっていた「卓」様には申し訳ありませんが、ご了承いただきたく存じます。


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    ~未出の判例対策1~

    みなさんこんにちは。

    本日は、昨日までの「時効の援用権者」の記事の総括をしたいと思います。途中にしている憲法の話は次回します。

    ご存じのとおり、司法書士試験の本試験は、過去に出題された論点が中心に出題されます。

    その出題率がどれだけあるかですが、参考までに平成22年度の民法のデータをご紹介します(片口調べ)。



    総則  問題数3問 肢数15肢

    第4問 5分の2
    第5問 5分の3
    第6問 5分の0 (基本問題)

    計 15分の5 過去問からの出題率33%


    物権 問題数9問 肢数45肢


    第7問 5分の5
    第8問 5分の5
    第9問 5分の3
    第10問 5分の3
    第11問 5分の4
    第12問 5分の3
    第13問 5分の5
    第14問 5分の5
    第15問 5分の5

    計 45分の38 過去問からの出題率84%


    債権 問題数4問 肢数20肢


    第16問 5分の3
    第17問 5分の3
    第18問 5分の2 
    第19問 5分の5

    計 20分の13 過去問からの出題率65%



    親族・相続 問題数4問 肢数20肢


    第20問 5分の5
    第21問 5分の3
    第22問 5分の5
    第23問 5分の2 

    計 20分の15 過去問からの出題率75%

    合計数 100分の71 過去問からの出題率71%



    上記のことからわかりますように、実に7割が過去出題された論点から問われていることになります。

    裏を返せば、3割は未出の論点から出題されていることになります。


    ご存じのとおり、この試験は合格安全圏にいきたいのであれば、8~9割の正解率を達成しなければならないのであり、そのことを踏まえると、何肢かは未出の論点であっても正誤判断を強いられることになるわけです。


    では、未出の論点の対策としては、どのような方法があるでしょうか。


    ①未出の判例・先例・学説をとにかくたくさん覚える

    1つの方法としては、未出の判例・先例・学説をとにかくたくさん覚えるという方法があります。

    極論をいえば、判例等の結論をきちんと把握しておけば、各肢の正誤判断をすることは可能であり、覚えれば覚えた分だけ見たことのない論点が減ることになります。

    では、未出の論点を知るための方法は何があるでしょうか。

    一つは、予備校各社が実施している答練を活用する方法です。

    もう一つは、情報量が多いとされている市販のテキストを活用する方法です。

    しかし、これらには弱点があり、ちゃんとした講師がついていればいいのですが、独学であったり、本試験の分析ができていない講師がついていた場合、出る可能性の極めて低い論点まで手を出しがちになってしまうというおそれがあります

    特に答練は、受験生のニーズに合わせて未出の論点をたくさん出題しないといけませんから、本試験にでる可能性の低い論点も出題されがちです。

    自分自身が本試験の傾向をきちんと把握していれば(あるいは本試験を熟知している講師がついていれば)、どの論点が今年の本試験で出題される可能性が高くて、どの論点が低いのかを峻別できるので有効活用できるでしょうが、そうでない場合は焦点がぼやけてしまい、かえって逆効果になることもあります。

    また、人間の記憶の容量、特に7月の第一日曜日にもっていける頭に詰め込んでいける情報量は限られており、知識をたくさん詰め込むことによって、より重要な論点(過去出題された論点等)がないがしろになってしまうおそれもあります。

    したがって、この方法は謂わば「もろ刃の剣」といえるでしょう。


    なお、補足ですが、この方法を実践したい場合、テキストについては情報量の多いとされているものを選びましょう。

    多くのテキストは未出の論点についてはあまり掲載されていないのが通常です。ちゃんと過去問を分析している人にはわかると思いますが、基本的に予備校が作るテキストというのは後出しジャンケンであり、本試験で出題されたものを追加する(補訂する)という形式をとっています。

    ですから、過去出題された論点を把握するという意味では秀でていますが、未来の問題を予想するという点においては役に立たないことが多いので、その点は認識しておく必要があります



    ②本質の理解をする


    そこで、私がお勧めするのは、制度の本質を理解するという方法です。

    前回までのテーマである「先順位抵当権者の被担保債権の消滅時効について、後順位抵当権者が援用することができるか」という判例(最判平成11・10・21民集53巻7号1190頁)は平成20年に初めて出題されたものです。

    仮に、この判例を本試験当日初めて見ることになったとしても、前回ご紹介したとおり、時効の援用権者となるためには「その財産権を奪わなければそれに匹敵する財産権を喪失することが求められる」 という定式を知っていれば、これにあてはめて答えを導くことができたはずです。

    前回ご紹介したその他時効の援用権者に関する判例の中には、まだ未出の判例があり、一般的な予備校のテキストに掲載されていないものもありますが、それらも一個一個覚える必要は全くなく、上記定式を理解していればそれで答えられるのです。

    これによって労力を大幅に削減することができ、かつ、確固たる知識とすることができます。

    こういったことを繰り返していくと、やがて法的素養が身につき、未出の論点にぶつかったとき、おのずと「座りのいい答え」を解答することができるようになります。


    私個人の意見としては、予備校が提供すべき情報とはこういった部分であり、これによって受験生の円滑な勉強に資するべきだと考えています。

    簡単な理由付けをするだけなら(本質に触れない「ごまかしのある」説明をするだけなら)、別に予備校なんていかなくても市販の本にいくらでも書いてあるからそれで十分なわけです。

    過去にどれだけ出たことがあるかという情報提供も、過去問集を見ればすぐわかるわけですから、受験生にとってたいして実益はありません。

    ですので、今後予備校を活用するのであれば、上記のような視点をもって、その選択を考えてみることをお勧めします。



    さて、最後に一つまた宿題をだしたいと思います。


    平成16-14-アに次のような問題が出題されています。

    ア 先取特権は、その被担保債権の全部の弁済を受けるまで、目的物の全部につき効力が及び、約定担保物権である抵当権とは異なり、当事者の特約によってこの性質を排除することはできない。

    正解は×で、先取特権の不可分性は当事者の特約で排除することができるという通説を問う問題です。

    この問題に関しては、予備校各社としては少々予想外だったと予想できます。

    なぜなら、最近の担保物権の書籍でこの通説の記載があるものが極めて少ないのです。当然ですが、我々講師陣も予備校も、未来の問題を予想する際には、基本書・体系書・注釈書を読み込むことから始めます。多くの学者の先生が扱っている論点は、当然試験にも出題されやすいですから、それをベースに予想していくのです。

    ところが、この先取特権の不可分性についての論点を扱っている書籍は、

    民法講義Ⅲ 我妻栄著 ⇒非掲載
    民法Ⅲ   内田貴著 ⇒非掲載
    担保物権法 柚木馨=高木多喜男著 ⇒非掲載
    担保物権法 船越隆司著 ⇒非掲載
    担保物権法 高木多喜男著 ⇒非掲載
    担保物権法 道垣内弘人著 ⇒非掲載
    担保物権法 高橋眞著 ⇒非掲載
    物権法講義 鈴木 禄彌著 ⇒非掲載
    民法総合3 平野裕之著 ⇒非掲載
    民法要義Ⅱ 梅謙次郎著 ⇒非掲載
    基本法コンメンタール 物権 遠藤浩編 ⇒非掲載

    と、一般的に読まれている担保物権の書籍には掲載されていないのです。

    結局、最近の本で掲載されているのは(あまり最近の本ではないですが)、注釈民法(8)くらいだと思われます。

    したがって、出題が少々予想しにくい論点の一つであったと思われます。


    しかし、この問題についても、民法の一般的な考え方をきちんと理解していれば、解答をすることは可能であったといえます。

    では、通説は、なぜこのように考えているのでしょうか。少し考えてみましょう。



    続きは憲法の話とともに次回お話をしていきます。


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    片口 翔太

    Author:片口 翔太
    平成20年司法書士試験合格。
    法律を全く勉強したことがない初学者から1年1発合格を果たす。1発合格者の中では、トップ成績で司法書士試験を突破。

    以降、実務と共に資格の学校TACにて司法書士講座を担当。法学の素養を高めるため、大量の法学書を買い込み、年間の書籍購入費は毎年100万円を超える。

     

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